優れたETMトレース品質の確保
テクニカル・ノート 200304
アーキテクチャ:
Arm
コンポーネント:
debugger
更新日:
2020/03/17 4:09
はじめに
ETMトレース ハードウェアが最適なパフォーマンスのための設定となっていることを このテクニカルノートの指示に従って確認してください。
解説
一般的なヒント
優れたトレースパフォーマンスのためには、以下が必要です。
- 十分なGND
- 各信号ケーブルが短く等しいこと
- 信頼できる外部電源がボードに供給されること
ETMトレース品質
Debug Log ウィンドウに以下のメッセージが表示される場合があります。
Trace validation FAILED. Reason: Incorrect trace ID
トレースピンの設定をチェック
多くの場合、ETMトレースピンがMCUで実行されているアプリケーションによってGPIOピンとして設定されているために上記のメッセージが出力されます。 多くのMCUでは、ETMトレースピンを他の機能(SPI、GPIOなど)として設定でき、このことによりETMトレースが機能しなくなります。
トレースラインの長さをチェック
考えられる別の理由は、低品質のETMトレース接続ラインが考えられます。例えば、仮の位置にはんだ付けされた異なる長さのジャンパーケーブル等です。
高速ETMトレースは高周波信号であるため、信号線は短く、同じ長さである必要があります。 GNDに接続する必要があるすべてのラインが良好なGNDに接続されていることをチェックしてください。
電源のチェック
デバッグプローブを介してボードに電力を供給する場合、最初にMCUのクロック速度が遅いときには、機能するものの、MCUのクロック速度を上げると、電力使用量が増加し、ETMトレースで問題が発生する可能性があります。 これを解決するには、外部電源でボードに電力を供給してください。
ETMトレースピン接続
Debug Log ウィンドウに以下のメッセージが表示される場合があります。
Trace: Calibration failed - capture will not start
ボードの回路図をチェック
ボードの回路図を確認して、 4つのETMトレースラインすべてがMCUからデバッグコネクタに物理的に接続されていることをチェックしてください。
トレースピンのイネーブルをチェック
ETMトレースピンがイネーブルされ、ETMトレースを使用できるように設定されていることを確認してください。 通常、この設定はC-SPYデバッガマクロによって行われます。
例えば, ST STM32F4x デバイスの場合、Debug Log ウィンドウに マクロファイルarm\config\debugger\ST\STM32F4xx.dmac がロードされていることが表示されます。
MCUデバイスに対応するdmacファイルをエディタで開き、ETMトレース用に設定されているMCUピンを確認してください。 Technical Note 190507 も参照してください。
まとめ
優れたETMトレースパフォーマンスを確保するには、上記の推奨事項に従ってください。
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