インダストリアル
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 - 品質と効率を両立する開発体制へ
製品開発において市場品質トラブルが多発するという課題に直面。品質問題を解決し、開発効率を高めるために、CI/CDの環境を導入しました。
企業概要と事業領域
当社は、電気設備とデジタル技術を融合させたソリューションを提供することで、社会インフラに貢献しています。主な事業領域は、ライティング、電設資材、環境エネルギー、そしてソリューションエンジニアリングの4つの柱から成り立っています。
私たちの製品やソリューションは、住宅・マンションからオフィス・商業施設、さらにはスタジアム・公共施設といった幅広い分野で活用されており、人々の生活と活動を支えています。
業界内での競争優位性としては、長年にわたって培ってきた照明制御技術やエネルギーマネジメント技術、そしてこれらを組み合わせた空間ソリューションの総合力が当社の強みです。

導入の背景:市場品質要求の更なる向上を目指して
弊社では、十分な検討に基づく設計と高い技術力、さらに入念な評価を行ったうえで製品を市場に投入しております。しかし、実際の運用環境では、想定していなかった課題が明らかになることがあります。現在、これらの課題には迅速かつ丁寧に対応しておりますが、品質と市場安定性のさらなる向上に向けた取り組みは、依然として十分な成果に至っていない状況です。
特に、市場での課題発生頻度が高いことから、「課題への継続的な対応」と「開発効率の向上」を同時に実現する必要性が高まっています。このような背景のもと、品質改善と開発プロセスの最適化を目的として、CI/CDの導入を検討し始めました。
実は、過去に一部の開発プロジェクトでオープンソースのソリューション(Jenkinsなど)でCI/CD環境の構築を試みたこともあります。しかし、残念ながら管理担当者の異動などにより、組織全体に定着させることはできませんでした。この経験から、単なる構築ではなく、持続的な保守・サポート体制の重要性を痛感していました。
IAR選定の理由:「過去の資産を活かしながら開発の効率性と安全性を確保する」提案力
具体的に再検討を始めたのは2024年春ごろです。既に開発ツールとしてはIARのコンパイラを使用していたので、それを有効活用しながらCI/CD環境を導入する検討を始めました。私たちがCI/CD構築パートナーとしてIARを選定した最大の理由は、過去のコンパイラ資産を保守・サポートできる点を考慮したCI/CD環境の提案でした。
長期間にわたって市場で使用される製品を扱う当社にとって、過去のプロジェクトで利用したコンパイラバージョンに対しても、継続的なサポートが受けられることは、商品の継続的保守メンテナンスを実現する上で非常に大きな魅力でした。
その他コンパイラ自体でも、性能の高さ、幅広い対応アーキテクチャ、そして手厚いサポート体制にも魅力を感じ、CI/CD環境用のコンパイラとしても、IAR製品の導入を決めました。
導入と活用:迅速なキャッチアップと具体的な効果
導入にあたっては、IARから手厚い技術サポートを受けました。特に、CI/CD環境全体のデモや勉強会を開催いただき、当社の既存の開発の仕組みを十分に理解した上で協力していただけたため、スムーズな導入が実現しました。
現在、私たちはBXARMとCXARMを利用しており、これらは主にセンサ端末やシステムコントローラなどの製品に活用されています。
IAR導入後に期待している、または既に実感し始めている改善効果は、主に以下の3点です。
- 開発効率の向上
- 市場投入までの期間短縮
- 商品の継続的保守メンテナンスの実現
品質向上と開発効率の両立が実現できる開発体制へと着実に変化しています。
パートナーシップと将来への期待
IARとの協業については、当社の目的と意図を十分理解した上でソリューションを提案していただけた点に大変満足しています。
長期的なパートナーシップとして今後IARに期待したいのは、国内外の顧客との取り組みや仕組みを生かし、業界全体の生産性の向上に寄与してほしいということです。単に高性能なコンパイラを提供するだけでなく、コンパイラを活用した商品ソフトウェア開発環境全体のソリューション提案をさらに強化していただけることを期待しています。
同様の課題に直面する企業へのメッセージ
私たちが構築したシステムやプロセスは、すでに業界内で広く知られ、活用が推奨されている標準的な情報や手法が多く含まれています。
当社がIARをパートナーとして選定した経験から言えるのは、同社が持つ国内外の豊富な開発事例や最新の技術動向は、自組織の課題解決に非常に有効な示唆を与えてくれるということです。私たちはこれらの知見を基に、開発プロセスの見直しと品質向上の両立を図ることができました。
同様の課題に直面している他社様も、積極的に新しいシステムやツールを活用することで、我々パナソニックグループも含めた業界全体の生産性向上が図れるのではと考えています。
私たちも今後、IARとの協業を通じて、品質と効率を両立した、より高度なソフトウェア開発環境の構築を目指していきます。
