アドバンテック

産業用IoT向けスマートエッジデバイスのイノベーションを目指すアドバンテックを支援

 

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左から:IARシステムズのBen TsaiChris Lin、アドバンテックのAdam Lin氏とKonami Lin

 

 産業用モノのインターネット(IIoT)の急速な発展に伴い、スマートエッジデバイスの需要が大幅に増加しています。スマートエッジデバイスはそれ自体が計算能力を備えていることから、IoTアプリケーション内でインテリジェントネットワークノードの役割を果たすことができます。このため環境モニタリングのニーズに対応し、アプリケーションの設定を迅速かつ容易に行うことが可能です。

 

アドバンテックは、IoTインテリジェントシステムと組込みプラットフォーム業界の世界的リーダであり、IARシステムズと16年以上にわたり協力関係を築いてきました。アドバンテックは、データ取得I/Oモジュールの設計および製造においてIoTソリューション用コンパイラのベンダを探し求めていました。8051 MCU開発時に採用したIAR Embedded Workbenchの優れた機能に着目しており、またIAR Embedded WorkbenchはさまざまなMCUをサポートしているので、アドバンテックがARMベースのMCUへ移行する際にも、IAR Embedded Workbenchを使用して、引き続きイノベーションを図ることができました。

 

長期にわたり慎重に評価した結果、私たちは最終的にIAR Embedded Workbenchを選択しました。これには2つの理由があります。第一にIARのツールが極めて広範なメインストリームMCUをサポートしていることです。サンプルプロジェクトの完成度も高く、どのメーカのMCUを選んだとしても、IARシステムズのサポートを受けられるので、将来、社内チームが開発計画を柔軟に進めることができます。2つ目の理由は、IARシステムズの製品が非常に安定していることです。アドバンテックが開発するのは産業グレード製品で、厳格な管理が行われます。したがって、品質を維持するには、最も安定した開発ツールが必要となります。このことは他の開発ツールサプライヤが提供できない大きな利点です。

 

開発を始めた段階ではフリーのコンパイラソフトウェアも試しましたが、コーディング上の問題判定に誤りが多いことが分かりました。このことはプロジェクトに度々の遅延を生じさせ、製品開発上の問題を引き起こすことになりました。現在、IAR Embedded Workbenchは、アドバンテックの開発チームがコンパイラソフトウェアを選ぶ際の統一基準となっています。

- アドバンテック産業用IoTビジネスグループR&Dシニアマネージャ、Adam Lin氏

IARシステムズのツールで最新リモートエッジデバイスを開発

アドバンテックは最新のインテリジェントリモートI/OデバイスADAM-6300の開発に着手すると同時に、IAR Embedded Workbenchを使用することで、業界における数々のイノベーションを実現することができました。

アドバンテックADAM-6300シリーズは、Modbusプロトコルを使用する革新的なOPC UA Ethernet I/Oモジュールで、ゲートウェイなしでSCADAとクラウドへのリンクが可能です。OPC UA(Open Platform Communications Unified Architecture)は、ADAM-6300シリーズがサポートしているオープン標準で、稼働中のさまざまな装置をそのベンダに関係なく連携させ、装置間およびシステム間での通信を可能にします。I/Oデータは、レガシーの制御運用技術(OT: Operational Technology)システムへのModbusを通じて処理することも、OPC UAを介してSCADAやクラウドへ組み込むことも可能です。

 

ADAM-6300は装置とロボットの状態監視に幅広く使用可能で、工場の製造実行システム(MES: Manufacturing Execution System)や設備総合効率(OEE: Overall Equipment Effectiveness)システムと組み合わせて使用することもできます。

 

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アドバンテックブランドを代表する製品と言えるADAM-6300は、アプリケーションの機能面で数多くのブレークスルーを実現しており、本来は組込みプラットフォーム上ではなくPC上で実行する必要のあるプログラムを実装することができます。ADAM-6300の開発は、IAR Embedded Workbenchがなければ実現不可能でした。

- アドバンテック産業用IoTビジネスグループR&Dシニアマネージャ、Adam Lin氏

 

優れたコンパイラ性能と広範なデバッグ機能によりADAM-6300の開発を加速

ADAM-6300のファームウェアは比較的大きなものであることから、アドバンテックはIAR Embedded Workbenchを他のソリューションと比較検討しました。その結果、IAR Embedded Workbenchのコンパイラ技術は極めて優れているという結論に達しました。IAR Embedded Workbenchは4つの実行シーケンスを同時にコンパイルできるだけでなく、スピード面でも優れています。通常1時間15分程かかるコンパイルを、このツールはわずか15分で行えます。このことは、アドバンテックの研究開発が5倍スピードアップすることを意味します。

 

また、複雑な製品開発環境とC++プログラミング言語のサポートに関しても、IAR Embedded Workbenchでは最も完璧に近い構文サポートが提供されることが判明しています。

 

さらに、アドバンテックの開発チームが頻繁に使用したIAR Embedded Workbenchの幅広いデバッグ機能により、メモリおよびスタックの状況をコードの位置と対比しながら確認できるので、問題を迅速に見つけることが可能です。また、開発者は逆アセンブル機能を使用することにより、コードをどのように変更すれば、命令計算数を減らし、プログラムのサイズ縮小と速度アップという最適化要求を満たすことができるのかを調べることもできます。

 

IAR Embedded Workbenchは、MCUのメモリ容量を最大限に生かすためにコンパクトなコードを生成することで、ハードウェアのコストを抑えます。また、pragmaディレクティブとマクロによってプログラムの実行性能の向上と消費電力の削減を両立させ、優れたデバッグ機能によってデバッグが容易になります。これらすべての特長によって、アドバンテックの製品開発サイクルは効果的に短縮されました。

高信頼性ソリューションによりインテリジェントIIoTアプリケーション開発を継続

アドバンテックが開発したADAM OPC UAおよびフィールドバスリモートI/Oデータ取得モジュールは、IoTを実現する機能を備えています。これらのモジュールは、水や電気、大量高速輸送(MRT)の改札、原子力発電に関するシミュレーションベースの講習、発電および発電所、他の水力発電手段、各種発電要素、大電力制御、スマート節電、スマート工場などの垂直アプリケーションに幅広く使用されています。これらのアプリケーションはすべて、屋内外を問わずどのような過酷な環境であっても品質を確保することに重点を置いています。

2020年にはIARシステムズ台湾が設立されました。

 

アドバンテックは、高い信頼性が求められる産業用コンピュータにおいて、IARシステムズの高信頼性ソリューションを使用できることを嬉しく思っています。IARのツールは、アドバンテックが産業用コンピュータとネットワークセキュリティの分野において完璧を追及する助けとなり、両社の長期的成長を可能にするものです。とりわけIARシステムズの台湾法人が設立されてからは、極めて効率的かつプロフェッショナルなサービスが確実に提供されることを示してくれました。開発中にいかなる問題が発生しようと、常に迅速かつ適切なサポートが提供され、定期的にテクニカルトレーニングも実施してくれました。

ADAM-6300は業界のパイオニア的存在と言える製品ですが、IARシステムズのサポートなしに実現することはなかったでしょう。私たちは将来の発展のため、また台湾の革新的技術を世界へ広めるために、引き続きIARシステムズと安定した関係を築いてまいります。

- アドバンテック産業用IoTビジネスグループR&Dシニアマネージャ、Adam Lin氏

 

 

 

 

 

 

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